駐フィンランド日本国特命全権大使 岡田隆

令和6年1月24日
Ambassador Okada
 1月16日に駐フィンランド日本国大使として着任しました。1984年に外務省に入り、英国留学を始めに、エジプト、国連代表部、南アフリカ、タイ、ジュネーブ代表部、イギリスに在勤し、昨年10月まではアフガニスタン大使として3年勤務いたしました。今回、フィンランドという、日本と基本的価値を共有し、高度な経済と技術力を持ち、そして大変に親日的な国に勤務できることは大きな喜びです。
 
 日本とフィンランドは1919年に外交関係を樹立して以来交流を深めてきましたが、今日、両国は自由・民主主義・人権・法の支配をはじめとする基本的価値を共有する戦略的パートナーとなっています。ハイレベルの往来も活発化しつつあり、2022年にはマリン首相(当時)が訪日し、その後も閣僚レベルの往来は続き、1月には上川外務大臣が当地を訪問しました。1月24日、ニーニスト大統領に信任状を捧呈し懇談することができましたが、国際情勢について両国の見方は揃っており、互いに信頼できるパートナーとして国際社会に協力して貢献できると感じました。
 
 フィンランドは、デザインや生活スタイルなどの文化面で多くの日本人を魅了し、福祉、教育政策の成功で関心を集めてきていますが、最近では、安全保障、ITデジタル技術、スタートアップといった側面も注目されています。昨年夏に発効したワーキングホリデー制度の下で若者の交流、フィンランドの技術力に注目する日本企業との協力の拡大も今後期待できると思います。日本は、上川外務大臣のイニシアティブの下で、安全保障、技術と経済、北極、ジェンダーという4分野についてフィンランドを含む北欧諸国との協力を進めようとしています。皆様の力をお借りしながら、その具体化に取り組んで参りたいと思います。
 
 2019年の夏、当時英国に在勤していた私と妻は、一週間の休暇をヘルシンキで過ごし、美術館・博物館や建築を廻りました。一週間は短く、この森と湖の国の美しさを十分に味わうことはできませんでした。今回はフィンランドの各地を廻り、歴史と文化に触れながら、日本とフィンランドの交流を後押しできればと思っています。皆様にどこかでお目にかかるのを楽しみにしています。



駐フィンランド日本国大使 岡田隆

大使略歴